パソコンやゲームをするときはドライアイ対策を

近年パソコンやスマートフォンを長時間使う人や、オンラインゲームをする人が増えたことで、目を守ることの大切さが注目され始めています。
その典型例として、ブルーライトをカットするメガネを使用する人が増えています。

 

しかしながら、パソコンやゲームの画面をよく見る人は、ブルーライト対策だけでなく、ドライアイ対策も忘れてはいけません。
なぜなら、これらの両方の対策をしておかないと、有害光線のダメージから目を十分に保護することはできないからです。

 

そこで今回は、ドライアイとは一体どのような病気なのか、ドライアイ対策として何に気をつければ良いのかについて解説しようと思います。

 

ドライアイとは

ドライアイの定義

ドライアイとは、「様々な要因により涙液層の安定性が低下する疾患であり、眼不快感や視機能異常を生じ、眼表面の障害を伴うことがある」と定義されています。

 

簡単に解説すると、一時的な眼の不調ではなく慢性的な眼の病気ということです。
具体的な症状としては、涙の成分が不安定になり目の表面が乾燥します。それにより角膜が傷つくこともあります。

 

現在、日本のドライアイ患者は約800~2,200万人に上ると言われており、オフィスワーカーについて見ると3人に1人がドライアイという報告もあります。
ドライアイ患者数は年々増加傾向にあります。

 

涙とまばたきの役割

① 涙の役割

人間の目の表面にある涙は、約1000分の7ミリの薄い膜構造です。
涙は目を保護するとともに、ものを鮮明に見るために大切な役割を果たしています。
具体的には、以下のような役割があります。

 

  • ・目の表面を潤して乾燥を防ぐ
  • ・角膜に酸素や栄養を補給する
  • ・外界から目に細菌や異物が侵入するのを防ぐ
  • ・ゴミやホコリを洗い流す
  • ・目の表面を滑らかに整えて、画像が鮮明に見えるようにする

 

② まばたきの役割

涙の働きと深い関係にあるのが、まばたきです。
まばたきは、涙を目の表面に満たすためのポンプのような働きをしています。

 

また、人間は1分間に約20回まばたきをしていると言われます。
ところが、パソコンやゲームに集中している時は、まばたきの回数が約1/3~1/4である5,6回にまで減少してしまいます。

 

そうすると、目の表面にしっかりと涙を送り出せなくなり、涙の成分が不安定になります。
そして、涙の膜構造が壊れ「ドライスポット」と呼ばれる隙間ができてしまい、そこから涙が蒸発しやすくなります。
この結果、目が乾燥したり、バリア機能が弱まって角膜に傷がついたりします。
これを繰り返すとドライアイになるのです。

 

ドライアイの症状

 

ドライアイになると、慢性的に様々な自覚症状が出てきます。
例えば、目が疲れやすい、目の不快感や異物感がある、充血しやすい、目やにが出る、視力が低下するなどの症状があります。
ドライアイが進行すると、角膜上皮剥離(角膜が乾燥してはがれる病気)のような重症になることもあります。

 

ドライアイの原因と対策

ドライアイになりやすい生活環境

ドライアイの原因は、生活環境や生活習慣によるところが大きいと言われています。以下に挙げられるような生活をしている人は、ドライアイになりやすい傾向があるので対策を考えた方が良いでしょう。

 

  • ・PCやスマホを長時間使う
  • ・オンラインゲームを長時間する
  • ・車の運転をよくする
  • ・コンタクトレンズを使用している
  • ・ストレスが多い
  • ・残業などで夜型の生活をしている
  • ・喫煙している、または周囲の人が喫煙している
  • ・血圧を下げる薬や向精神薬など「抗コリン作用」を持つ薬を服用している

 

一方で、コンタクトを使用している人も多いでしょう。
コンタクトをすると、涙がコンタクトレンズに吸い取られたり、涙が蒸発しやすくなったりするため、ドライアイになりやすいのです。

 

また、ドライアイは季節にも左右されます。
例えば冬には空気が乾燥するため悪化する人が多くなります。

眼科で受けられる治療

 

ドライアイの症状や原因は人によって様々です。
そのため、自己診断ではドライアイなのか、単なる一時的な不調なのかという区別が付けられません。
そうかもしれないと思ったら、眼科の病院に行って診断を受けましょう。

 

① ドライアイの検査と診断

眼科ではまず、ドライアイであるかどうか診断するための検査を行います。
その検査方法は、基本的な視力検査や涙の量を調べるシルマー試験、涙の質を調べるBUT検査などが一般的です。
BUT検査とは、眼を開いてから眼の表面の涙の膜構造が乱れるまでの時間を測定するものです。
この時間が5秒以下で、かつ自覚症状がある場合はドライアイと診断されます。
これらの検査はいずれも短時間で済みます。

 

② ドライアイの治療

・点眼薬による層別治療

最近主流になっているドライアイの治療方法は、涙の膜を構成する各層のうち不安定になっている層を特定し、そこを安定させるように働きかける「層別治療」です。
患者さんによって不安定になっている層が異なるため非常に有用な治療法です。

 

・涙点プラグ

点眼薬で効果が得られないタイプのドライアイもあります。
その場合は、涙点閉鎖による治療が行われています。
この方法は、涙点を閉じることで涙の流出を抑え、眼の表面の涙を増やすというものです。

 

自分でできるドライアイ対策

次は、ドライアイを予防するために自分でできる対策方法を紹介します。

  • ・パソコンやゲームをする時は、意識的にまばたきをする
  • ・パソコンなどの画面の高さが、目よりも低くなるように配置する
  • ・姿勢を正して、伏し目がちに画面を見るようにする
  • ・部屋に加湿器を置く
  • ・長時間画面を見て作業に集中するときは、1時間に1回程度の休憩時間を取る
  • ・リラックスする時間を増やす(副交感神経の作用で涙が出やすくなるため)

 

以上のドライアイ対策方法のうち、自分の家や職場で実践できそうなものから意識してみてください。

 

なお、水道水で目を洗うのは良くありません。
というのも、目が乾燥したからと言って水道水で目を洗ってしまうと、水道水に含まれる細菌や目の周りについている細菌が目に入ってしまう可能性があるからです。
また、必要な涙の成分まで洗い流されてしまうため、ドライアイ対策として逆効果になるかもしれません。気をつけましょう。

 

まとめ

以上で説明したように、ドライアイは涙の成分が不安定になって、視力の低下や目の表面の損傷につながる、慢性的な目の病気です。
これを予防するために、パソコンやゲームの画面を見る時は、ブルーライト対策だけでなくドライアイ対策も意識するようにして下さい。

特に、ドライアイの状態で有害なブルーライトを浴び続けるのは危険です。
視力低下が進み、目の病気になりやすくなってしまうのです。
パソコンやゲームをする時間が長い人ほど、普段からのドライアイ対策をしっかりと行いましょう。